抄録
アルミニウムを真空蒸着したイットリア安定化ジルコニア(YSZ)表面に、ゾル-ゲル法により粒径30-60 nmの酸化ニッケル粒子を分散させた。このYSZとステンレス合金の間に、厚さ10μmのアルミニウム箔を挟み、944 K, 15 minと1273 K, 6hの熱処理を行うことにより、酸化ニッケルを分散させたアルミニウム中間層を用いたYSZとステンレス合金の液相酸化接合を行った。接合した試料の接合界面近傍における破断面のSEM観察とEDS分析から、Al2O3中間層中にNiが検出された。低熱膨張率のAl2O3中に高熱膨張率のNiが分散でき、熱膨張率制御によりYSZとステンレス合金との接合界面における熱歪の緩和が行えたと考えられる。