抄録
WO3はフォトクロミックやエレクトロクロミック材料として知られるが、色変換のためには励起光の照射やサンドイッチ電極に施した後の電界印加などの工程が必要である。我々は溶媒への浸漬で着色、酸素への暴露で消色が繰り返し可能となる新しい原理に基づいた色変換素子を開発した。 今回開発したWO3/Al色変換素子において、酸性水溶液が「インク」、酸素分子が「消しゴム」として働き、複雑な電極構造や光照射を必要としないデバイスを設計できる。電気化学的な活性のある別の酸化物を用いることで、フルカラー変換も期待できる。今後、ディスプレイ、センサー、データ保存素子としての応用を検討する。