日本計算工学会論文集
Online ISSN : 1347-8826
ISSN-L : 1344-9443
エッジトーンの数値解析における境界条件の影響
野々村 拓村中 洋子藤井 孝藏
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2008 年 2008 巻 p. 20080030

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抄録
エッジトーンの数値解析に対する、境界条件の影響を調べた.数値解析には6次精度コンパクトスキームとルンゲクッタスキームを用いた.ジェット出口のノズルリップ厚さを厚くすることで、エッジトーン現象が強められることがわかった.これはノズルリップで反射される音波の量を増加させ、フィードバックループを強めるためと考えられる.このことから数値解析においてはノズルリップ周辺の幾何学形状を正しく再現することが重要であることが明らかとなった.次にジェットのプロファイルを変えた場合の解析を行った.最大速度を一定にして境界層を厚くすることで、ステージが下がる、周波数が低くなるなど、速度を小さくした場合と同様の効果が得られた.境界層の厚いプロファイルは平均速度が小さくなっているため、エッジトーン現象に対して平均速度の効果が大きいと考えられる. 逆に平均速度を一定にして境界層を厚くすることで、ステージの変化は見られなかったが、周波数が高くなった.すなわち、平均速度だけでなくプロファイルも周波数に影響していることがわかった.これらのことからジェットのプロファイルもエッジトーンの周波数、ステージに大きく影響しており、適切な数値解析をする際にはプロファイルを正しく再現することが重要であることがわかった.さらに上述の知見からエッジトーンの平均速度によってステージが決まることが示唆された.また周波数に関しては平均速度およびプロファイルの2つが影響していることがわかった.
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© 2008 The Japan Society For Computational Engineering and Science
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