日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2012年年会講演予稿集
セッションID: 2K22
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ホウケイ酸塩メルトにおける B2O3 の部分モル熱容量
*菅原 透杉村 康太吉田 智松岡 純南 和宏越智 英治
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抄録
模擬放射性廃棄物ガラスは,PyrexやE-glassなど他のホウケイ酸塩メルトと比較し,ガラス転移領域での熱容量が顕著に高く,また温度の増加で熱容量が大きく減少することが知られている.本研究では,SiO2-B2O3-Al2O3-CaO-Na2O系メルトに対して熱量測定実験を行い,B2O3の部分モル熱容量(CpB2O3)を明らかにした.CpB2O3はメルトの組成と温度により大きく変化し,次のような特徴を示す.(1)メルトがNa2Oを含まない場合はCpB2O3=150-140 J K-1mol-1でほぼ一定である.(2)Na2Oを含む場合,Tg付近の過冷却メルトのCpB2O3はB2O3が25mol%よりも12.5mol%の方が大きく,いずれも温度の増加で減少する.(3)温度の増加によるCpB2O3の減少はNa2OとCaO又はAl2O3が共存する場合に特に大きくなる.模擬放射性廃棄物ガラスの熱容量が示す特異な温度変化はこれらのCpB2O3の変化で説明することができる.
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©  日本セラミックス協会 2012
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