抄録
21世紀に入り、世界的なエネルギー・環境問題の解決に向けて、省エネ・創エネ両面で電子セラミック材料に要求される項目も拡がりつつある。時を合わせて、毒性懸念元素Pbを含まない無鉛圧電セラミック材料の研究が活発化して約10年が経過した。その結果、PZTの性能すべてに勝る無鉛圧電セラミックスの開発が困難であることが強く認識されたが、新素材それぞれの長短特徴付けは着実に進んだ。この間の目覚ましい成果の一つに、優れた圧電定数と高キュリー温度を示すアルカリニオブ酸ペロブスカイト(通称ニオブ系)に関する研究深化がある。本講演では、ニオブ系無鉛圧電セラミックスに関する研究成果と最近の研究動向を紹介する。