抄録
急速加熱によって成形体密度を急激に高めた後、低温度で比較的長時間焼結して緻密体を得る二段階焼結法は、微細粒子からなる高密度セラミックスの作製に優れた技法として一般に認識されている。BaTiO3セラミックスを作製する場合には、圧電特性の飛躍的向上とこれに寄与する焼結機構等が報告されている(1) (2)。一方、ニオブ系無鉛圧電セラミックスでも、二段階焼結法の有用性が既に報告されているが(3)、その焼成雰囲気に係わる粒成長挙動について詳細な報告例はない。本研究では、焼結過程において、組成変動しやすくファセット構造も発達しやすいニオブ系無鉛圧電(Na,K)NbO3 セラミックスを異なる酸素分圧下で二段階焼結に供し、その粒成長挙動を考察した。