抄録
ディーゼル車が主な発生源となるNOxは、人体への有害性だけでなく酸性雨等の環境破壊の原因ともなることから、これの効率的な除去技術の確立が求められている。本研究では、固体酸点の発現が期待されるモリブデン酸によりPt/Al2O3触媒表面を修飾し、水素を還元剤としたNOx浄化特性を評価した。
作製した触媒のうち、25 wt%のモリブデンを担持したものが最も活性が高く、モリブデンを担持していないPt/Al2O3の最大N2転化率が50%以下に留まることに対して、100-200 ℃の広い温度範囲で約60%以上のN2転化率を示した。DRIFTsにより反応中間種を評価した結果、過剰の酸素共存下にもかかわらずNH3の生成が確認され、良好なNOx還元能を有するNH3が反応過程において生成し、これが固体酸点で保持されNH3-SCR的に還元反応が進行することで、優れた触媒特性が得られたことが示唆された。