抄録
セラミックスの合成プロセスにおいて、結晶配向成長の選択的かつ精緻な制御は、材料の持つ特性を最大限に引き出すために必須である。講演者は、高強度レーザー場を利用した材料合成プロセスおよび新規レーザー光源の開発に関する研究を進め、材料・プロセス・レーザーの各視点に立ち、レーザー反応場における気相成長の学理を追求してきた。化学気相析出プロセスに高強度レーザーを導入することで、活性な反応場での気相析出を実現できる。高い原料供給下でも高い反応性を保持できることから、このプロセスを強い配向性や特異なナノ構造を持ったセラミックス膜の高速気相析出の場として利用することを提案した。本講演では、レーザーを利用したセラミックス膜の選択的配向成長と高速合成に関して、最近の代表的な研究成果を紹介する。