抄録
界面を施さず高強度・高靱性を兼備したSiCf/ポーラスSiC複合材料は、脆性的破壊挙動を示す多孔質SiCセラミックスをSiC長繊維で強化することで作製される。この構造体の作製法としてSiC粉末と酸化物助剤によるホットプレス焼結を採用しているが、焼結温度が1800℃以上で高く、用いることの出来るSiC長繊維は耐熱性の観点から高結晶性繊維となり非常に高価である。広範囲な応用には原料コストの削減は非常に重要であり同時に1500℃以下で作製可能なプロセスが必須となる。本研究では、新たなプロセス設計として結晶性の高くない安価なSiC繊維を用いて、1500℃以下で焼結可能な反応焼結法と脱炭処理によるSiCf/ポーラスSiC作製技術の高度化を目指した。