抄録
本研究では、幅広い温度領域で3次元等方的に負の熱膨張を示すZrW2O8と、高熱伝導率を示す金属Cuのコンポジット化を試み、熱膨張係数を制御したヒートシンク材料の作製を目的とした。CuとZrW2O8の混合率を変化させて作製した試料の熱膨張係数は体積分率にほぼ比例して変化し、任意に熱膨張係数を制御することが可能であった。これらの試料の熱伝導度はCu含有率が50%以下では非線形的に変化したが、それ以上ではほぼ線形を示し、Cu100%では約300Wm-1K-1であるのに対して、50%Cu-50%ZrW2O8(体積分率)では約120Wm-1K-1であった。