抄録
エアロゾルデポジション(AD)法は,室温下でセラミックス粒子を基板に衝突させ,緻密なセラミックス膜を形成する手法である。低コストでセラミックス膜を形成するためには,成膜効率を向上させ,使用するセラミックス粒子量を低減することが有効である。我々は粒子の変形能と成膜効率には相関があると考え,AD法の成膜効率向上を目的に,原料粒子の変形エネルギーと成膜効率の関係を評価した。Al2O3粒子を用いた場合,粒子の製法により変形エネルギーは変化し,変形エネルギーが低いほど成膜効率は高い傾向を示した。AD法の成膜効率を決定する因子は,全てが明らかではないものの,その一つとして粒子の製法に起因した変形エネルギーがあると推定できる。