抄録
メソポーラスシリカナノ粒子は、機能性官能基の導入により多くの応用展開が期待されているが、導入量の限界や不均一な分布が課題となっている。そこで本研究では、骨格源にメチルトリエトキシシランのみを用い、塩基性条件下でコロイド状メソ構造ナノ粒子を作製した。この溶液は高い透明性・分散性を保持しており、TEM観察から粒径20 nm以下のメソ構造粒子であることを確認した。この溶液に対し、透析により界面活性剤を除去すると、水中で凝集体を形成した。これは粒子表面に存在するメチル基の疎水性により、粒子同士が集合したためであると考えられる。この凝集体を乾燥させた粉末の29Si MAS NMRスペクトルから、T 3環境が90%以上の構造体であることを確認した。