抄録
LiNbO2とMgCl2を反応させることで、新規ニオブ層状酸化物であるMg0.5NbO2の合成し、その結晶構造を明らかにした。EDX分析により得られた粉末のMg:Nb比は1:2と見積もられ、AAS分析によってLiは検出されなかった。また、粉末を空気中1000℃で加熱した際に得られた粉末のXRDパターンはMgNb2O6と同定され、その加熱での重量増加(11.70 %)はMg0.5NbO2からMgNb2O6への酸化反応での理論値(11.67 %)と一致した。試料はほぼ単相であり、LiNbO2と同じ六方晶(P63/mmc)に指数付けできた。Mg0.5NbO2相の格子定数はa= 0.29057(9) nm、c= 1.0615(2) nmであり、LiNbO2と比較するとa軸は減少しc軸は増加した。これらの結果から、二つのLi+イオンが一つのMg2+イオンと変わるトポタクティックな反応によってMg0.5NbO2が合成できることが明らかになった。