抄録
リソグラフィーとドライエッチングを利用した微細加工技術がナノテクノロジーを牽引しているが、高精度加工できる材料としてはシリコン系材料を扱う研究が多い。本研究では、多機能な材料である酸化チタン(TiO2)に着目し、その微細加工を試みた。
酸化チタンの特性としては種々あるが、中でも着目されているのがフォトニック結晶としての用途である。近年、発表者のグループにより、ルチル型酸化チタン(屈折率n=2.9)および電解質であるアセトニトリル(n=1.35)より構成されるFPBG(フルフォトニックバンドギャップ)構造体が発見された。本研究ではこのような構造体を実際に作製するため、反応性イオンエッチング(RIE)により酸化チタン単結晶の微細加工を試みたので報告する。