抄録
本研究では、石英ガラスを出発材とし、合成条件が合成結晶の大きさなどに与える影響を調べるとともに、合成時に添加された構造指向剤の除去について検討した。結果として、1~2 mm程度の結晶が合成され、さらに反応溶液中のHF量を倍にしたところ、最大3 mm程度のより大きな結晶を得ることができた。また、反応溶液を適当な組成に調製するとともに、種結晶を添加し、石英ガラス片を水熱反応容器の底から浮かせた設置で合成を行ったところ、得られた結晶の大きさは1 mm以下であったが、非常に透明度の高い結晶が再現良く合成された。構造指向剤の除去に関しては、熱処理の温度および雰囲気によって除去挙動が異なることがわかった。