抄録
非常灯などの用途に用いられる長残光性蛍光体は希土類賦活型が主流だが、希土類元素は埋蔵量が極めて少なく特定地域に偏在しているため代替材料の開発が望まれる。そこで本研究において、希土類フリー長残光体である単斜晶ZrO2に注目し、光照射ESR測定によって未だ不明な点が多い長残光機構の解明を試みた。-270℃において紫外線(波長300 nm)照射 ESR 測定を行った結果、照射前後の差スペクトルにおいてg = 2.01付近に対称性の良いシグナルが観測され、長残光トラップが酸素空孔に電子が一つ捕獲された状態(F+-center)であることが強く示唆された。