抄録
Tm3+イオンは増感剤となる希土類イオンから3段階のエネルギー移動により, 青色のアップコンバージョン(UPC)発光を示す. しかし, エネルギー損失なくすべてのエネルギーを受け取る確率は低く, その確率を高めることが課題となっている. 本研究室ではアップコンバージョン蛍光体の母体材料として, 低フォノンエネルギーや高化学耐久性などの特徴を有するTeO2系ガラスに着目している. 本研究では, Tm3+イオンと増感剤として有効なYb3+イオンを共添加したTeO2系ガラスの青色アップコンバージョン発光特性を評価し, エネルギー移動の確率が高い希土類添加量を検討したので報告する.