抄録
生活者に安全にセルフメディケーションを実施してもらうためには、一般用医薬品の販売に携わる薬剤師による支援が不可欠である。しかし、一般用医薬品を販売する際、薬剤師がやりづらさを感じ職能を十分に発揮できないと、適正使用の妨げとなる可能性がある。本研究では、200名の薬局薬剤師に、一般用医薬品を販売する際のやりづらさについて調査した。来局者との会話においてやりづらいと感じた経験のある薬局薬剤師94名から得たやりづらさの理由に関する自由記述を、質的に分析した。やりづらさの観点として、『プライバシーへの関与』、『情報不足の中で求められる専門性』、『薬局を取り巻く環境』、『一般用医薬品販売の制度』、『薬剤師職能の周知』が抽出された。これらの観点は、薬剤師がその使命や責務を果たそうとすることで生じるやりづらさだと考えられた。今後、薬剤師のやりづらさを少なくすることで、専門性を活かした来局者への関わりが可能となると考えられる。