Journal of Pharmaceutical Communication
Online ISSN : 2759-3088
Print ISSN : 2758-2035
最新号
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原著論文
  • 神田 紘介, 常松 萌絵
    2025 年23 巻1 号 p. 6-15
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/11/04
    ジャーナル フリー
    感染症拡大時の接触回避、業務効率や医療の質の向上を目的として、遠隔医療の普及が進められている。改正された薬事関係法規により薬剤師も、オンライン服薬指導を実施することが可能になっており、従来の対面での服薬指導に加え、オンライン服薬指導を活用し、効果的な服薬指導を実施することが推進されている。現在、普及への過渡期にあるが、その実態は明らかでない。オンライン服薬指導を行う環境・機器の整備状況と実施状況、薬局薬剤師のオンライン服薬指導を業務に取り入れることへの姿勢を明らかにするために、薬局薬剤師に調査を行った。勤務する薬局にオンライン服薬指導の機器や環境が整備されていると回答した者は2割程度であり、20店舗以上の法人の薬局に多く整備されていた。オンライン服薬指導の環境や機器が整備されている薬局に勤務する薬剤師のうち、実施している者は4割程度であり、感染症患者への服薬指導だけでなく、患者からの相談対応や投薬後のフォローアップなど医療の質の向上を目的として実施されていた。また、実施することが、オンライン服薬指導を業務に取り入れることに肯定的であることの要因であることが示唆された。さらに、若年の薬剤師ほどオンライン服薬指導を業務に取り入れることの姿勢は、肯定的であるが、年齢が上がるにつれ、その割合は下がることが明らかになった。
ノート
  • 岩﨑 清子, 安高 勇気, 榎本 年孝, 讃井 絢子, 緒方 憲太郎, 兼重  晋, 神村 英利
    2025 年23 巻1 号 p. 16-24
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/11/04
    ジャーナル フリー
    母乳育児は世界中で推奨されている。しかし,薬物療法が必要な授乳婦に対して,薬剤使用の可否判断が難しいことがある。今回,基礎疾患を有する妊婦・授乳婦に対して薬剤師の介入によって,授乳に影響しない薬剤を選択することで児への薬剤の影響を回避し,授乳支援ができた一例を経験した。  症例は妊娠33週6日に緊急搬送された29歳の妊婦で,脳腫瘍の著しい増大と閉塞性水頭症のため,搬送当日に緊急帝王切開と脳室外ドレナージ手術が施行された。脳神経外科と産婦人科での加療が必要な急性期の状況下で薬剤師が授乳に関する医薬品情報を基に,異なる診療科の医師と円滑にコミュニケーションをとることで,適切な抗菌薬,抗てんかん薬,貧血治療薬,静脈血栓塞栓症の予防薬の選択に貢献できたと考えられる。
  • 山田  路子, 山本  綾夏, 久保田 理恵
    2025 年23 巻1 号 p. 25-43
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/11/04
    ジャーナル フリー
    薬学実務実習では、習得度を適正に評価するためにルーブリックを意識した概略評価を用いて、総合的なパフォーマンスを評価している。パフォーマンスの決定要因の一つとして人格特性が挙げられる。一般性自己効力感(GSES)は、必要な行動を遂行できる可能性の自己認知であり、人格特性のように、個人の様々な場面の行動や意欲に変化を及ぼすとされるため、実習生のパフォーマンスにも影響し得る。本研究は、薬局実務実習におけるGSESと概略評価の関係性を検討し、GSESが学生のよりよいパフォーマンスを引き出すための指標に成り得るか有用性を検証することを目的とした。実習生6名のGSESと概略評価を相関分析したところ、GSESの3因子のうち「失敗に対する不安」のみが、概略評価のほとんどの項目と相関があり、全体評価項目平均とかなり正の相関があった。概略評価は、「失敗に対する不安」との関連性が強い可能性が示唆された。「失敗に対する不安」の得点が低い実習生は、失敗を恐れて実践現場での取り組みが消極的になる可能性があるため、実習生が実習中に失敗した際は適切な指導とフォローが必要であると考える。本研究は、学生個々の自己効力感に合わせた指導方法を工夫するための一助となることが期待される。
実践報告
  • 伊藤  由香里, 相良  篤信, 湯本  哲郎, 畦地  拓哉, 鳥越  一宏, 白水  俊介
    2025 年23 巻1 号 p. 44-54
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/11/04
    ジャーナル フリー
    薬剤師による対人業務が推進される中、患者ケアに関する資質養成が求められており、個の倫理観や専門職としての倫理観、さらに多様な人々の生と死に正面から向き合うための死生観が重要である。そのため、薬学生の時点から自身の死生観に真摯に向き合い、患者や生活者の死生観と向き合う心の体力をつける機会を継続して提供することが重要と考える。そこで、死生観に着目した教育プログラムを構築、実践した。対象疾患は骨肉腫とし、3年次の薬学生が当事者として積極的治療、または緩和的治療の選択を通じて葛藤し、自らの死生観を共有することで自己と多様な死生観に向き合う機会を設定した。事後アンケートの解析より、本プログラムの主たる目的である「死生観を育み続けることの重要性」「自分の考えだけでなく、他者の死生観に触れる機会の必要性」は多くの学生から理解が得られた。今後、薬学生に死生観に関連した学びを継続的に提供し、その成果を収集・評価していきたいと考える。
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