抄録
注射剤をはじめとした医薬品製造環境の微生物管理に於いて,空中浮遊微生物用の迅速モニタリング装置が脚光を浴び始めている。その効果的な利用法を見出すために,先ず各製造環境の清浄度に応じた既存の微生物環境モニタリングはなぜ必要かという根本的なコンセプトを再度整理し,次に迅速法がこのモニタリングに効果的に使えそうな状況を想定して実測データを収集し,先に整理したコンセプトにあった実用の可能性を評価した。その結果,迅速モニタリング装置の有用性が示唆された。同時に,実用に供するために解決すべき課題も確認できた。今後更なる改良と実地データの蓄積によって,微生物迅速モニタリング装置の有用性は確実なものとなり,実用が広がって行くものと思われる。