日本PDA学術誌 GMPとバリデーション
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総説
バイオ医薬品製造に用いる細胞基材の樹立に関する留意事項
岸岡 康博多田 稔栗林 亮佑堀内 貴之高倉 知朗山野-足立 範子三﨑 亮石井 純太田 康勝大屋 智資片山 和彦川原 彰人小山 伸吾阪下 日登志瀧村 靖森本 拓也中野 歩希早水 健二日向 昌司村上 聖内田 和久大政 健史石井 明子
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2023 年 25 巻 1 号 p. 10-19

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抄録

バイオ医薬品の製造には,動物細胞や微生物に目的遺伝子を導入して樹立された細胞基材が用いられる。細胞基材の特性は,産生物である製品の品質及び安全性に影響することから,適切な細胞基材を樹立して製造に用いることが,最終製品の品質を確保する上で極めて重要である。細胞基材については,ICH Q5B及びQ5Dガイドラインにおいて,遺伝子発現構成体の解析やセルバンクの調製と特性解析等に関して基本的な指針が示されているが,両ガイドラインが作成されてから20年以上が経過し,その間にも様々な技術革新や知見の蓄積があった。本稿では,次世代抗体医薬品等のバイオ医薬品の開発・製造の効率化に貢献することを目的に,バイオ医薬品製造に用いられる細胞基材に関して,細胞基材の樹立・特性解析・管理に関する既存のICHガイドラインの概略を説明すると共に,これまでの海外での議論やAMED研究班での検討に基づき,細胞基材のクローナリティ及び産生物のシークエンスバリアントの評価方法及び管理の考え方を紹介した。

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© 2023 日本PDA製薬学会
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