日本PDA学術誌 GMPとバリデーション
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PIC/S GMP Annex 1に基づく環境モニタリングにおける課題の整理と実務的対応
日本PDA製薬学会 無菌製品GMP委員会 メンバー有馬 勇斗平井 大士川崎 誠池田 卓司谷川 夏樹古田 善宏池松 靖人
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2026 年 28 巻 1 号 p. 70-78

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抄録

医薬品や先進医療用医薬品(Advanced Therapy Medicinal Products:ATMPs)の製造・品質管理の現場では,製造される環境に依存する製品の影響が大きく,環境が適切に維持されていることを保証するための環境モニタリングによる管理・監視が非常に重要となる。

また無菌医薬品の製造でグローバルなガイドラインであるPIC/S GMP ガイドAnnex 11)(以下,Annex 1)にその重要性と運用が明確に収載されたことで,従来,日本国内で運用されて来た無菌操作法による無菌医薬品の製造に関するガイドライン2)や日本薬局方に関する事務連絡の環境モニタリング法3)とは相違等もあり,Annex 1における環境モニタリングを適切に実践するためには,その考え方や具体的な運用を示す必要があり,我々日本PDA製薬学会/無菌製品GMP委員会(以下,当委員会)の研究グループRG-6のメンバーを中心とした研究・調査成果をワークショップやシンポジウムなどで発表して来た。そこで,それらの成果を文章化することで更に幅広く関係業界や団体等へ役立てるため本稿を執筆することにした。

Annex 1では第9章の環境モニタリングの要求事項が大幅に見直され,汚染管理戦略(Contamination Control Strategy:CCS)を支える重要な品質システム要素として位置付けられている。一方で,リスク評価の具体的方法や運用設計は各社に委ねられており,モニタリングポイント,頻度,培養条件,アクションレベル,検出菌の同定範囲といった項目について,現場での判断が求められている。本稿では,これら環境モニタリング設定における主要な課題を整理するとともに,当委員会主催で開催されたPIC/S GMP Annex 1ワークショップ環境モニタリング編4)での議論を基に,Annex 1の要求意図を踏まえたリスクの捉え方,設定方法,合理化の視点を提示する。環境モニタリングは計画(Plan),実行(Do),評価(Check),改善(Action)から成る,PDCAサイクルとして継続的に運用されるべきであり,目的化することなく,無菌性保証を支える手段として機能させることが重要である。今後は微生物迅速試験法(Rapid Microbiological Method:RMM)等の新技術導入も含め,科学的かつリスクベースな実践も求められることになる。

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