2024 年 105 巻 1 号 p. 43-46
【背景】大腸の巨大な0-Is病変は筋層牽引や粘膜下層の線維化を伴うことが多く,途中中断や術中穿孔に伴う緊急手術にいたることも珍しくない.内視鏡治療を安全に完遂するためには手技的な工夫が必要である.
【症例】46歳女性.横行結腸の40 mm大の0-Is病変に対して粘膜下層剥離術(ESD)を施行した.筋層牽引所見を認めたため,ダブルトンネル法で筋層牽引部位を露出し,SureClipⓇを用いて筋層にクリッピングしながらその病変側を切開(Clip and cut technique)することで,合併症なく安全に一括切除に成功した.
【結論】Clip and cut techniqueを用いることで筋層牽引を伴う巨大な大腸0-Is病変を内視鏡的に安全に一括切除できる可能性がある.