抄録
明らかな増大を示した胃gastrointestinal stromal tumor(GIST)の2例を経験した。2例ともEUSにて内部エコーは均一,EUSガイド下穿刺吸引針生検病理組織では核分裂像は少なく,H-E染色にて平滑筋腫と診断された。増大を示したことから腹腔鏡下部分胃切除術を施行したが,その病理組織ではc-kitその他の免疫組織化学的染色により狭義のGISTと診断され,核分裂像を1~2/10HPF認めたことから悪性が示唆された。EUSや生検病理組織にて悪性所見に乏しくても増大する場合は悪性腫瘍を念頭に置く必要があり,増大の指標としては1年間に7~8mm以上が妥当と考えられた。今後は生検組織も免疫組織化学的染色により積極的にGISTと診断し,たとえ核分裂像が少なくても,その生物学的悪性度を考慮に入れ,手術適応の判断の一助にすべきと考えられた。