抄録
Choledochoceleは,総胆管末端の十二指腸壁内の部分が囊腫状に拡張した病変として1940年に命名されたが,その後さらなる診断基準は報告されておらず,成因も確定されていない。ERCP自験例を検討し,choledochoceleとの鑑別が問題となる胆管末端部の囊状病変について調べた。それらは,長径1cm前後の共通管の拡張(dilated common channel syndrome),長径5mm程度の胆管末端部の憩室様突出,膵管開口部の拡張(pancreatocele),胆管結石合併や採石後の変化,膵胆管合流異常合併例であった。Choledochoceleの診断において,先天性だけでなく後天性変化(乳頭機能不全や胆管結石による変化)も含めるのか,最小の大きさの規定(normal variantとの鑑別),dilated common channel syndromeやpancreatoceleの概念導入,膵胆管合流異常との関連性などを考慮し,明確なるcholedochoceleの診断基準を作製する必要がある。