抄録
慢性腎不全患者の上部内視鏡所見について最近2年間の実態をまとめ検討した。慢性血液透析患者100例の胃病変の頻度は,点状出血34%,びらん病変17%,潰瘍7%であり,腎不全保存期例85例も同様の傾向であった。一方,腎機能正常者(非腎不全例22例)の胃病変はびらん病変13.6%,潰瘍4.5%,点状出血4.5%であった。透析例,保存期例ともに点状出血を含めた非潰瘍性粘膜病変の頻度が高く,腎不全に特徴的な所見であった。また出血性病変例では貧血と腎障害が高度であり,これらが粘膜性病変の出現に関与していることが示唆された。