Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
十二指腸潰瘍穿孔に対する保存的治療の経験
長浜 雄志丸山 道生
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2001 年 59 巻 2 号 p. 37-41

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抄録
 かつては開腹術の適応であった十二指腸潰瘍穿孔例に対して保存的治療が行われるようになってきている。今回当科において保存的治療を試みた十二指腸潰瘍穿孔症例について考察し報告する。
 1999年より十二指腸潰瘍穿孔例5症例に対して保存的治療を試みた。十二指腸潰瘍穿孔を示峻する上腹部痛症例に対して上部消化管内視鏡検査を行い,最低限の送気のもと病変が十二指腸に存在することを確認する。観察後経鼻胃管を留置し,H2blocker,抗生剤,鎮痛剤投与を行って保存的な治療を試みた。
 保存治療を試みた5例中4例で腹膜炎は軽快し2~3日後には平熱化し,開腹することなく軽快治癒した。1例は治療開始2日後に熱発の改善がみられないため開腹ドレナージを施行した。この例は内視鏡診断後の胃内減圧が不十分で胃内容の腹腔内への漏出をきたしたものと考えられた。
 内視鏡的に十二指腸潰瘍と確診された潰瘍穿孔例に対しては,十分な胃内の減圧と腹腔内滲出液の量を考慮すれば保存的に治療可能であった。熱発の状態は保存治療の効果を判断するにあたり重要な要素であった。
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© 2001 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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