Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
免疫学的便潜血検査陽性者,陰性者の疾患の特徴
千野 晶子浦上 尚之保坂 尚志石山 晃世志山本 頼正土田 知宏小泉 浩一藤崎 順子高橋 寛藤田 力也
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2003 年 63 巻 2 号 p. 51-55

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抄録
 【目的】免疫学的便潜血検査2日法(IFOBT)の標的を内視鏡治療の対象病変の検出という観点から疾患を分類し,IFOBT陰性者の有病率を明確にすることで,IFOBTの特徴や感度,特異度を検討した。【対象】癌研究会総合健診センターにおいてIFOBTを受けたのべ11,348例(総検査者4,819名)のうち,大腸内視鏡検査(TCS)を受けた471例で,IFOBT陽性者中の38.9%(212/545),陰性者中の6%(259/4274)を対象とした。【結果】IFOBT陽性の検出感度・特異度はsm癌・進行癌は85%・56%,高度異型腺腫・m癌は73%・56%,10mm以上の腺腫性ポリープでは64%・56%であった。組織別有病率の特徴では8mmのm癌が陰性群で2例存在した。また,形態別腫瘍径の比較の特徴はⅡa型15mm以上,Ⅰp型10mm以上で陽性群に多く認められた。痔核のみの者は陽性で30%,陰性でも16%に認めた。ポリープ切除後のIFOBT追跡では,98%に陽性から陰性への変化を認めた。【結論】10mm以上の腺腫のIFOBT検出感度は低く,高度異型腺腫およびm癌までの病変では8mmから10mmまでの病変で偽陰性が高頻度に認められ,最も内視鏡治療の対象となる病変の拾い上げにはIFOBTに加え他の検査の併用や,有症状・合併癌有者・家族癌有者・年齢を加味した精密検査のすすめが必要と考えられた。
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© 2003 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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