抄録
大腸内視鏡前処置に用いられるpolyethylene glycol(PEG)にラクチュロースを混入して腸管洗浄を行い,呼気中に排出される水素ガス濃度を測定し,小腸におけるbacterial overgrowthを検討した。対象は大腸内視鏡検査を行った連続50例。腸管洗浄液PEG 200mlにラクチュロース12gを混入して飲用させ,以後PEG 1,800mlを2時間で飲用させた。15分間隔で4時間後まで呼気を採取し,呼気中水素濃度を測定した。呼気中水素ガス濃度が45分以内に最大となる症例が10例(20%),5ppm以上上昇した8例(16%)あり,また呼気中水素ガス濃度のピークが3回以上出現した症例が13例(26%)あり,小腸でのbacterial overgrowthと考えられた。空腹時呼気中水素ガス濃度は小腸でのbacterial overgrowthの有無により差はなく,新たな腹部症状の出現もなかった。