抄録
併存病変としてカルチノイドを合併し,治療前に内視鏡下生検で診断し得た直腸子宮内膜症の1例を経験し,LH-RH analog療法にて症状の改善および病変の消退傾向を確認したので報告する。患者は35歳女性。主訴は下腹部痛と月経時血便であり,大腸内視鏡検査を施行したところ,Rs領域に発赤顆粒状変化を伴う隆起性病変およびその近傍肛門側に黄色調粘膜下腫瘤様病変を認めた。同部位より生検し,病理組織所見より前者は直腸子宮内膜症,後者は直腸カルチノイドと診断した。直腸子宮内膜症に対してはホルモン療法を行い,その後自覚症状および大腸内視鏡検査にて病変の改善傾向を認めた。直腸カルチノイドに対しては内視鏡的粘膜切除術(EMR)を施行し,治癒切除した。