Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
側方発育型大腸腫瘍に対するEMR治療成績の検討
入口 陽介中井 呈子中村 尚志大浦 通久小田 丈二水谷 勝大野 康寛塩田 滋朗高柳 聡益満 博山田 耕三山村 彰彦
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2005 年 66 巻 2 号 p. 31-34

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抄録
 20mm以上の側方発育型大腸腫瘍(以下,LST)に対する内視鏡的粘膜切除術(以下,EMR)の長期経過からみた治療成績を分析し,EMRの適応とその方法について検討した。当センターで過去14年間に,EMR後1年以上の経過観察を行った20mm以上のLST94例94病変(顆粒型61病変,非顆粒型33病変)を対象として,遺残再発率と腫瘍長径および分割切除回数との関係,遺残再発症例の臨床的特徴と予後について検討した。顆粒型では,一括切除率は42%で,その平均腫瘍長径は24.0mmであった。これに対して非顆粒型では,一括切除率は16%と低率で,平均腫瘍径も20.3mmと小さかった。遺残再発率は,顆粒型8%(5例),非顆粒型9%(3例)とほぼ同率で,10分割以上となった症例が5例と半数以上を占めていた。また経過観察中にリンパ節転移や遠隔転移例はなかった。遺残再発8例中7例は,腫瘍径が大きく深い粘膜ひだに跨ったり,屈曲部に存在していたため,EMR手技および切除面の詳細な観察が困難であった。遺残再発は,すべて6カ月以内の経過観察で遺残を確認し,内視鏡治療を追加することによって1年以内に完全治癒が得られ,外科的手術が必要となった症例はなかった。以上から,正確な術前診断を行なえば,腫瘍径の大小に関わらず,積極的にEMRを選択することができるが,EMR後6カ月以内の内視鏡観察と遺残に対しては早急な追加内視鏡治療を行ない,さらに定期的な経過観察を行なうことが重要である。
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© 2005 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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