理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: DP776
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骨・関節疾患(整形外科疾患)
全人工膝関節再置換術後の理学療法
当院における3症例についての報告
*今石 綾子井上 博子田中 剛江本 玄
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抄録
〈はじめに〉近年、全人工膝関節置換術(以下TKA)の手術件数の増加に伴い、再置換術を必要とされる症例は増加の傾向にある。当院では2002年に約80例のTKAが施行され、内3例の再置換術が施行された。今回その理学療法(以下PT)を経験したので報告する。〈症例呈示〉症例1:70歳 女性 慢性関節リウマチ 平成5,6年に両側全人工股関節置換術施行後、13年1月に右TKA施行。14年1月に外反動揺出現し5月にインサートのみの再置換。術後1日よりCPM(0から40°)、ROM治療、筋力トレーニングなどのPT開始。1週にて膝伸展位装具にて歩行開始。1週毎に20°ずつROMを増加し、3週での装具除去時、外反動揺出現し、外反制御膝サポーターを用いる。5週にて左TKA施行後、計13週にてT-cane歩行、ROM0から110°での退院となった。 症例2:71歳 男性 変形性膝関節症 平成5,6年に両側高位脛骨骨切術後、12年7月右TKA施行。徐々に膝痛出現し、14年6月再置換術。術後1日よりCPMを0から50°より、ROM治療、筋力トレを開始。1週にて伸展位装具にて歩行開始。10日にて装具除去し、3週でT-cane歩行。8週で左TKA施行後、計16週にて独歩、ROM0から120°での退院となった。 症例3:78歳 女性 変形性膝関節症 平成12年1月左TKA施行。12月自宅にて転倒し左大腿骨顆上骨折、プレート固定術。3月退院。14年7月左膝痛みあり受診。10月インサートのみ再置換+遠位脛骨骨切術+IMNS nail施行。術後1日より車椅子移動、-5から30°でCPM、ROM治療、筋力トレ開始。3週より部分荷重、8週で歩行器での全荷重歩行開始。ROM0から50°。 〈考察〉再置換術の原因としては、人工関節の緩み、感染、骨折、脱臼、靭帯バランス不良などが挙げられている。今回の症例1についてはTHAステムのゆるみ・足部変形による外反ストレスからのMCLの破綻、症例2については移植骨の融解による痛み、症例3では骨接合術後の荷重歩行の影響により徐々に内反変形が生じたもの、が原因と推測された。術後のPTプランは当院のTKA用のクリニカルパスを適用せず、それぞれの状態に見合ったプランが実行され、特に荷重歩行の時期の遅延やROM治療の制限などがあった。また入院期間においても初回TKAの3から6週と比較し、反対側の手術を施行したこともあるが、長期の入院となっている。 今後、さらにTKA施行患者が増加するのに伴って再置換例も増えてくると予想されるため、手術の特徴や患者の状態を十分把握しPTを進めていく必要があると考える。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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