抄録
膵管非癒合の診断におけるMRCP(magnetic resonance cholangiopancreatography)の有用性および問題点をERCPと対比検討した。1996年から2004年12月までにMRCPおよびERCPを施行した膵管非癒合19例および膵管非癒合のない108例(慢性膵炎25例,膵胆道合流異常18例,膵癌15例,胆管結石10例など)を対象とした。ERCPをgold standardとした。結果1)ERCPで診断の確定した19例中MRCPで膵管非癒合の診断が可能であったのは13例であった。ERCPにおいて膵管非癒合が否定された108例中107例ではMRCPにて非癒合がないと診断が可能であったが,複雑型の膵胆道合流異常症の1例でMRCPで膵管非癒合と診断した。従って,MRCPの膵管非癒合診断の感度68%(13/19),特異度99%(107/108)および正確度95%(120/127)であった。2)MRCPにおける膵管非癒合診断不可能例は診断可能例に比べて,背側膵管径が有意に細かった。(背側膵管径(mm : mean±SD)診断可能例vs診断不可能例,3.8±1.4 vs 1.8±0.4,p<0.005)MRCPは膵管非癒合診断に対する特異度が非常に高く有用な検査法である。しかし,細い膵管系および胆道系の描出は非常に困難であり,確実な診断はERCPを併せて行う必要があると考えられた。