抄録
膵仮性嚢胞に対する内視鏡的治療として経乳頭ドレナージと経消化管ドレナージが行われているが、その治療方針は施設によって異なっているのが現状である.当科では膵頭・体部の仮性嚢胞で主膵管の狭窄や断裂が疑われる例では経乳頭的ドレナージを試み、それ以外の嚢胞で消化管内腔から嚢胞内腔までの距離が10mm以下の場合は経消化管ドレナージを行っているが、内視鏡的ドレナージの成績および合併症についてretrospectiveに検討し、治療方針の有効性について検討した。対象は1995年~2006年に当科で治療した膵仮性嚢胞44例で、平均年齢47.1歳、成因は急性膵炎16例、慢性膵炎25例、外傷3例であった。経消化管内瘻ステントとしては7Fr3cm 両側pig tail型ステント、経消化管外瘻および経乳頭ドレナージチューブには6~7.2FR ENBD tubeを用いた。経乳頭ドレナージは15/19例(79%)に成功し、経消化管ドレナージは20/25例(80%)に成功した。経消化管ドレナージの不成功例は全て慢性膵炎症例で,穿刺経路長は10mm以上と成功例に比べ有意に距離が長かった。また、経消化管・経乳頭ドレナージ施行例にそれぞれ2例の嚢胞感染がみられたが、いずれも保存的に軽快した。膵仮性嚢胞に対する内視鏡的ドレナージは安全で有用な治療法であると考えられた。