抄録
致死的状態に至る可能性がある急性胆道炎や急性膵炎に対して診療ガイドラインが作成されている。軽症例が重篤化しない指標はなく,我々は内視鏡治療により改善が期待できる場合は可及的早期に施行している。夜間・休日にも内視鏡室と放射線部に所属する看護師が救急室に勤務するため,緊急内視鏡や経皮経肝的ドレナージ術が施行できる。USやCTは施行できるが,緊急のMRCPは困難であるため施行しない場合がある。2003年1月より2007年12月までの5年間で,急性胆管炎246件(総胆管結石197件,悪性胆道狭窄46件,慢性膵炎3件),胆石性膵炎10件に対して24時間以内にERCPを施行した。総胆管結石によると考えられる207件では,147件で一期的な治療が施行できた。19例では全身状態不良やDIC合併,抗血栓塞栓療法中のため,ドレナージ術のみにとどめた。総胆管結石の検出率はUSで19%,CTで39%,US+CTで41%であった。胆管の拡張所見を合わせると,USで56%,CTで62%,US+CTで70%が胆管の異常を指摘され,急性胆管炎の参考所見となっていた。USやCTで胆管の異常が指摘できずにERCPで結石を認めたものは,診療ガイドラインの確診35件と疑診11件であった。入院期間を延長させる合併症は認めず,積極的なERCPは有用であった。