Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
早期大腸癌に対する内視鏡的治療(ESD)と外科治療区分
小池 貴志為我井 芳郎工藤 恵子有賀 元大和 滋斉藤 幸夫
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2008 年 73 巻 2 号 p. 84-87

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抄録
 早期大腸癌の内視鏡治療と外科手術の適応区分について検討を行った。対象 ; (1)大腸pSM癌217例(男129例,女88例,平均65.9歳)221病変を対象としてリンパ節転移危険因子について分析し,内視鏡治療にて根治可能な病変について検討を行った。(2)ESDを施行した大腸腫瘍185病変によるESDの適応区分と粘膜下に線維化を有する病変29病変の治療方針の検討を行った。結果 ; (1)脈管侵襲,リンパ管侵襲,budding2~3がリンパ節転移危険因子でありこれらの因子と宿主の全身状態を加味し外科的手術が検討される。Pit pattern診断の質的診断,深達度診断の精度は高くESD適応病変は20mm以上でⅢS,ⅢL,ⅤI型pit patternを示し推定深達度sm slightまでの病変と考えられた。(2)大腸ESD施行症例遺残再発は無く,偶発症は微小穿孔1例(0.5%)のみで,安全性,根治性は確立されてきた。一方,粘膜下層に線維化を伴った病変のESD一括切除率75.9%,1例で穿孔を認め,病変の大きさより粘膜下層の線維化がESDの成否の問題となる。粘膜下層の良性の線維化で内視鏡像で索状,帯状の線維化,軽~中等度の癌浸潤例は粘膜下剥離線が想定可能でESDの標準的適応である。一方,良性の線維化でスクリーン状呈する病変,不整な血管と褐色調を呈する高度癌浸潤例はESDの標準的適応外であると考えられた。
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© 2008 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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