Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
当施設における緊急ERCPの現状と急性胆管炎中等症判定項目の解析
水出 雅文田中 良樹小畑 力山田 俊哉土田 浩之柿崎 暁伊島 正志丸山 秀樹増田 淳草野 元康
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2008 年 73 巻 2 号 p. 97-102

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抄録
 近年,胆膵疾患のガイドラインが作成され,緊急ERCPを要する病態の記述もなされている。しかし,胆膵専門医が不足している地域では診療時間外における胆膵疾患の診察を専門医以外が対応するケースも多く,同一疾患でも当直医の判断によって治療方針が異なる可能性がある。今回,診療時間外緊急ERCPの現状をretrospectiveに検討した結果,中等症急性胆管炎症例において当直医の判断による治療方針がわかれていた(当直医が保存的治療を選択するか,または胆膵専門医にコンサルトのうえ緊急ERCPを施行するか)。また,急性胆管炎中等症判定項目は5項目存在するが,重症化を予測する項目が特定できれば中等症症例における緊急ERCPの適応も明確になると思われる。急性胆管炎中等症判定5項目を重症急性胆管炎群と待機的ERCPが可能であった中等症急性胆管炎群間で比較検討した結果では,血小板数減少項目のみ重症急性胆管炎群で有意差を持って多く認められた。保存的加療中に重症化した2症例においても,経時的推移にて明らかな血小板減少を認めており,中等症判定項目のうち血小板数減少は重症化,MOFへの進展を予測する項目になる可能性が考えられた。中等症急性胆管炎の中でも,血小板減少を認める症例は緊急ERCPを施行すべきと思われた。今後,中等症急性胆管炎症例のさらなる検討が行われ,重症化予測に関与する因子などの解明が期待される。
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© 2008 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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