2009 年 74 巻 2 号 p. 100-101
症例は29歳男性。腹痛,腹部膨満感を契機に腸閉塞の診断で近医入院。症状軽快のため精査されなかったが,退院後も間欠性の腹痛を認め,当院を受診した。下部消化管内視鏡検査で回盲部に腫瘤性病変を認め,注腸検査で回盲部に全周性狭窄,また胸部X線検査で左上肺野に結節影を認めた。肺野病変精査で気管支鏡検査を施行し,気管支洗浄液から結核菌DNAが検出され肺結核と診断した。回盲部病変は続発性腸結核と疑い,4剤併用の抗結核薬を投与した。活動性腸結核の内視鏡検査は自験例を含めて比較的稀であった。