2009 年 74 巻 2 号 p. 114-115
症例は23歳女性。腹腔内腫瘍の精査目的に当センター紹介となる。右上腹部を中心に10cm大の弾性硬・表面平滑な腫瘤を触知し,腹部CT上,腫瘤は膵頭部付近に存在し表面平滑で造影効果を伴う被膜を有した。確定診断目的にEUS-FNA施行,細胞診で血管間質を伴い,乳頭状構造を呈し結合性の低下した細胞集団を認め,solid-pseudopapillay tumorと診断,膵頭十二指腸切除術が施行された。EUS-FNAは膵由来の腫瘍が疑われる病変の確定診断に有用であり,治療法決定に役立つものと考えられた。