Progress of Digestive Endoscopy
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症例
管腔内超音波検査(IDUS)が診断に有用であったMirizzi症候群の1例
富澤 稔露口 利夫大塚 将之宮崎 勝酒井 裕司杉山 晴俊宮川 薫石原 武横須賀 收
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2009 年 74 巻 2 号 p. 124-125

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抄録

 症例は53歳男性,主訴は右季肋部痛。肝門部胆管癌の疑いにて当科を紹介された。EUSでは,胆嚢萎縮,胆嚢結石を認めた。ERCPでは胆嚢は造影されず,総肝管狭窄を認めた。IDUSでは,胆嚢頸部に胆石が嵌頓し,総肝管を圧迫しており,Mirizzi症候群が示唆された。しかし壁肥厚型胆嚢癌合併の可能性を否定しえず,胆嚢胆管切除術と胆管空腸吻合術が施行された。病理診断ではリンパ球が著明に浸潤する壁肥厚慢性胆嚢炎で,悪性所見はなかった。Mirizzi症候群の術前診断におけるIDUSの有用性が示された。

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© 2009 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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