Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
経鼻内視鏡を用いた経鼻栄養カテーテルによる経腸栄養の取り組み
山口 健太郎勝部 隆男村山 実浅香 晋一五十畑 則之島川 武成高 義彦小川 健治
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2009 年 74 巻 2 号 p. 32-35

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抄録

【はじめに】狭窄を伴う上部消化管癌(食道癌,胃癌)では経口摂取が困難で,低栄養状態を呈する場合が多い。当科ではこうした症例に対し,小腸粘膜萎縮や腸管免疫低下の防止も兼ね,経鼻内視鏡を用いた経鼻栄養カテーテルの挿入,留置による経腸栄養を積極的に施行している。本稿ではその手技の実際と施行症例を報告する。【手技の実際】経鼻内視鏡を,狭窄部を越え十二指腸下行脚まで挿入,内視鏡の鉗子孔よりガイドワイヤーを挿入する。内視鏡を抜去後,ガイドワイヤーを介して7.5 Fr経鼻栄養カテーテル(シラスコン®経管栄養カテーテル)を十二指腸水平脚付近に留置する。【治療成績】2008年4月から8月の狭窄を伴う上部消化管癌6例に施行した。施行時間は15分以内で,留置による違和感も軽度で,自己抜去例はなかった。経腸栄養としては800~1,800kcal/日の栄養剤投与が可能であった。【おわりに】狭窄を伴う上部消化管癌に対して,経鼻内視鏡を用いた経鼻栄養カテーテルの挿入,留置による経腸栄養を施行した。本法は,簡便,安全でカテーテル留置による違和感も少なく,継続投与が可能で,有用な手段と考えている。

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© 2009 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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