2009 年 74 巻 2 号 p. 36-39
当センターにおける75歳以上の高齢者大腸癌症例の臨床病理学的特徴に関して75歳未満の非高齢者群と比較検討を行った。2001年4月から2008年4月までに当センターで内視鏡的または外科的に切除され詳細な検討が可能であった75歳以上の大腸癌305病変(うち早期癌197病変,進行癌108病変)を高齢者群,75歳未満の大腸癌,1362病変(うち早期癌1046病変,進行癌316病変)を対照群とし男女比,大腸癌家族歴保有率,有症状率,腫瘍の占拠部位,腫瘍径,肉眼型,組織型,進行度に関して検討した。結果は占拠部位,肉眼型,進行度に有意差を認めた。高齢大腸癌は右側結腸に頻度が高いため深部結腸までの検査が必要であり,平坦・陥凹型腫瘍が多いことを意識し注意深く検査をすることが必要と考えられた。