2011 年 78 巻 2 号 p. 45-49
【目的】2010年4月より内視鏡的十二指腸ステントが保険収載された。その使用経験を報告する。【対象と方法】対象は切除不能の悪性胃十二指腸狭窄に対し内視鏡的十二指腸ステントを留置した12例。現疾患:膵頭部癌7例/膵体部癌5例。UICC病期:Ⅱ期1例/Ⅲ期1例/Ⅳ期10例。摂食状況はGastric Outlet Obstruction Scoring System(GOOSS) によって評価した。【成績】処置成功率100%。平均手技時間27分。食事可能率91.7%。処置前のGOOSS:0点5例/1点5例/2点2例に対し処置後のGOOSS:0点1例/2点1例/3点10例で有意な改善を認めた。食事可能例の食事開始までの期間は1例を除き1日以内であった。ステント留置後の生存期間の中央値は83日,食事可能な期間の中央値は57日であった。【結論】内視鏡的十二指腸ステントは QOL改善に有効であった。