当院での大腸内視鏡検査では富士フイルムメディカル社製EC-590ZW3を通常スコープとして使用しているが,狭窄,屈曲,癒着のためスコープと大腸壁との間に余裕(自由度)がなく挿入困難となる症例がみられる。当院では自由度を上げる目的で細径であるダブルバルーン用スコープEI-530B(富士フイルムメディカル社製)をバックアップスコープとして使用している。脾彎曲部から以深の挿入時には,スコープの硬度不足のためスコープがたわみやすい欠点があり,その欠点を補うべく弾発力の強いホビー用カーボンロッドをスタイレットとして使用した。4カ月間の検査症例488例を検討した結果,バックアップスコープを使用した症例は34例であり,原因の多くはS状結腸憩室症,癒着,小さい体型であった。カーボンスタイレットを併用した症例は29例であり,細径スコープとの組み合わせで被検者の苦痛は軽減され挿入率を高めているので報告した。