抄録
【背景・方法】2012年に大腸癌腸閉塞に対して内視鏡的金属ステント留置術(SEMS)が保険収載された。当院では収載後,金属ステント留置を行う症例が増えてきたが,収載以前は経肛門イレウス管による減圧と手術による治療を行っていた。2011年4月〜2014年8月までに大腸癌腸閉塞に対して施行した金属ステント留置術(n=10)と経肛門イレウス管留置術(n=11)の留置成功率,減圧成功率,人工肛門造設率,合併症についてそれぞれ比較検討した。【結果】金属ステント群は全例で留置に成功した。術前腸管減圧目的(bridge to surgery : BTS)が3例,緩和目的(palliative therapy)が7例であった。経肛門イレウス管留置例のうち,留置に成功したのは10例,腸管減圧に成功したのは9例であった。両群を比較すると金属ステント留置群のほうが,減圧成功率が高い傾向があると言えた(p=0.0956)。またBTS症例3例と待機的手術をしたイレウス管留置群9例を比較したところ,BTSでは全例で端々吻合が可能であったが,イレウス管群で5例であった。金属ステント留置群のほうが人工肛門造設を回避できる傾向があるかもしれない(p=0.1573)。【結論】大腸癌腸閉塞に対する金属ステント留置術は,短期成績,腸管減圧目的,緩和目的いずれについても有効な治療方法であると考えられた。