抄録
NBI拡大観察は小規模なクリニックでも簡単に行うことができるモダリティである。クリニックにおけるNBI拡大観察の有用性を検討するため,外来内視鏡治療の適応となる10mm前後の大腸ポリープに対するNBI拡大観察の診断能について検討を行った。当院において2013年1月〜2014年6月の間にNBI拡大観察を行い,内視鏡的に切除された112病変を対象とし,内視鏡治療前のNBI拡大観察で得られたvascular patternと病理組織学的所見とを後ろ向きに解析した。Vascular patternは昭和分類を用い,normal,faint,network,dense,irregular,sparseおよびothersに分類した。対象病変の平均病変径は5.5mmであり,肉眼形態別の内訳はⅡa 47例,Is 49例,Isp 14例,Ip 2例であった。Vascular patternと病理組織像の対比ではfaint patternを過形成性ポリープの指標とした場合,感度/特異度/正診率は81.8/97.9/92.0%,network patternおよびdense patternを腫瘍性病変の指標とした場合,感度/特異度/正診率は94.6/73.7/91.1%であった。NBI拡大観察はクリニックにおけるスクリーニング大腸内視鏡検査の精度を向上させる有効なモダリティであることが示唆された。