2016 年 89 巻 1 号 p. 58-61
症例は80歳代女性.リウマチ性多発筋痛症で通院中であった.下腹部痛・嘔気・便秘が出現したため近医を受診したところ,CRP 20mg/dL,WBC 24520/µLと炎症所見を認め,当院へ紹介入院,腹部造影CTにてS状結腸穿通による左腸腰筋膿瘍を認めた.低栄養状態であり,外科的治療は困難と判断し,経皮的膿瘍ドレナージによる保存的治療を行った.上下部消化管内視鏡下生検病理でアミロイドA(AA)アミロイドーシスと診断され,271病日に便路変更のため人工肛門造設術を行った.術後は消化管アミロイドーシスによる吸収不良が進み,425病日に永眠された.アミロイドーシスに合併した消化管穿孔は,予後不良となる症例が多い.原病のコントロールが重要であり,将来的には血清AA蛋白産生を抑制する抗IL-6レセプター抗体(tocilizumab ; TCZ)が治療選択の一つとなる可能性がある.