2017 年 90 巻 1 号 p. 62-65
症例は71歳,女性.Vogt-小柳-原田病に対して当院眼科にてステロイド内服加療中であったが,腹痛,嘔吐,下痢,発熱が出現したため当科を受診した.感染性腸炎と診断し,絶食・補液・抗菌薬投与で加療を開始したところ,症状は数日で改善し,炎症反応もおさまったため抗菌薬投与を終了した.しかし,食事再開後に炎症が再燃し,CTにて骨盤内に膿瘍形成を認めた.抗菌薬投与を再開したが,膿瘍が消失せず症状も遷延したため,超音波内視鏡下経直腸膿瘍ドレナージを施行した.術中・術後偶発症はなく,症状・炎症反応は改善し,CTでも膿瘍の縮小が確認できた.骨盤内膿瘍に対する超音波内視鏡下経直腸膿瘍ドレナージは比較的低侵襲で有効な治療法と考えられる.しかし本邦では施行例が少なく,手技の標準化のためには,今後さらなる症例の蓄積と検討が必要である.