2017 年 91 巻 1 号 p. 67-71
組織学的診断が必要な肝腫瘍に対して超音波ガイド下の経皮的生検が広く行われている.しかし,ときに経皮的生検が困難な症例も経験する.2013〜2016年の期間に経皮的生検が困難でEUS-FNAを用いて肝腫瘍生検を施行した16例を後ろ向きに検討した.平均年齢67.5歳(43〜82歳),男性 : 女性=9 : 7.経皮的肝生検が困難な理由は,腹水貯留12例,Chilaiditi症候群2例,尾状葉の腫瘍2例,小さな腫瘍(<15mm)2例であった(重複あり).対象病変の平均径は30.3mmで,左葉 : 右葉 : 尾状葉=12 : 2 : 2と左葉に多い傾向があった.全例で組織学的診断が可能で,13例(81.3%)で免疫染色を併用していた.合併症(出血・感染・穿孔)は認めなかった.肝腫瘍に対するEUS-FNAは安全で有用な方法である.経皮的生検が困難な場合,EUS-FNAが有効な代替手段となる可能性があり,常に念頭に置くべきである.