Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2187-4999
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新しい手技処置具・機器
マルチベンディング2チャンネルスコープの内視鏡的止血における有用性
落合 頼業布袋屋 修菊池 大輔早坂 淳之介鈴木 悠悟田中 匡実野村 浩介小田切 啓之岡本 陽祐山下 聡松井 啓三谷 年史飯塚 敏郎
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2019 年 94 巻 1 号 p. 52-55

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抄録

マルチベンディング2チャンネルスコープ(GIF-2TQ260M,Olympus Optical,Japan)はマルチベンディング機構と径3.2mmの吸引兼鉗子孔を2個有する処置用スコープである.マルチベンドであらゆる部位に近接でき,右側にも鉗子孔があるため病変により使い分けが可能である.また2個の鉗子孔を同時に使用することができる.当院における5ヶ月間の本スコープを用いた一次止血率は100%であった.GIF-Q260Jと吸引能を比較すると大きな差はない.一方で処置具を挿入した状態では本スコープの方が吸引能に優れる場合がある.本スコープは右側の鉗子孔が吸引チャンネルとは連結しておらず,左側に処置具を挿入した場合には吸引能が低下し,また完全に閉塞させた場合には吸引不能となる.しかし右側に挿入した場合には吸引能に影響はない.GIF-2TQ260MはESDなどの処置だけでなく,止血時にも有用である.

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© 2019 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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